新技術を使った設備の事故

    新技術を使った設備の事故では、今まであまりなかった種類の事故と同時に、従前と同じ種類の事故も増えています。

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    重量物による事故

    定置用リチウムイオン蓄電池などの設備では、容量が大きくなればなるほど本体の重さが重くなります。
    特にパワーコンディショナを内蔵しているタイプでは、100キロ以上、中には数百キロになるものがあります。

    設置時には注意していないと転倒させ、建築物を壊したり、あるいは運搬している作業者が挟まれ、事故に遭ったりすることがあります。

    通信・制御・計装・光ファイバーなどに関する事故

    通信系の工事、制御系の工事でもご配線などによって事故が起きることがあります。
    また、メタルケーブル以外にも、光ファイバーでの事故も見られます。

    光ファイバーそのものは繊細ですので機械的強度を構成部材によって出しています。
    しかし、その扱い方を間違えると破損し、通信できなくなる事例も報告されています。

    光ファイバーの施工を行うときは、従来のメタルケーブルと異なった扱いが求められるので注意が必要になります。

    事故事例では以下の4つの要因で事故が起きています。

    1. テンションのかけすぎで破断
    2. 側圧で破損
    3. 支持をするのにワイヤーに電圧がかかり焼損
    4. 外部からの力(自動車やユンボなど)で破損

    LED関連の事故

    LED照明も急速に普及しており、関連する事故も増えています。

    例えば、東京の行った『直径型LEDランプの取り付け方法に関する調査』では、直感型LEDランプには改造が必要なものや必要がないもの、また、蛍光灯の種類によっても適合するものとしないものなど、さまざまな種類があり、器具やランプの組み合わせを間違えると、不具合が生じ、間接照明の焦げや焼損などの事故が発生することも報告されています。

    その場合、火災などを招く恐れがあると注意喚起しています。

    また、既存の照明器具を改造して設置する直感型LEDランプの場合、事故が起きても起きても照明製造メーカーから保証されませんし、取り替え時に感電の恐れもあります。

    また、改造して設置するタイプも改造せずに、ランプ交換だけで既存の照明器具の保持部から直接給電するタイプも電気用品安全法に不適合の恐れがあるので推奨されていません。

    風力発電の雷被害

    再生可能エネルギーは、太陽光発電以外にも風力発電や小水力発電、バイオマス発電などがあります。

    このうち、風力発電は事故の報告の多い設備の一つです。

    特に多いのが雷による被害です。
    大型のものであるとブレードに落雷し、破損してしまう事例もあります。

    基本を逸脱しておきた事故

    新技術ならではの事故もありますが、散見されるのは基本を逸脱して起きる従来と同じような事故です。

    仕様書や説明書の確認を怠ったり、施工手順を守らない、省略行動をするなど、従来の電気設備工事でおきた事故と同じ背景のものが相変わらず多いです。

    これらの事故は普通の電気設備工事でも防ぐべきで、十分に防ぎえたものと言えるでしょう。

    新しい技術を使った設備の施工の事故

    事故事例を見ていると、新しい技術を使った設備の施工の事故も見られます。

    例えば HEMSなどの事故、あるいは蓄電池と太陽光発電を組み合わせた設備における事故など、事故事例を詳細に検証しますと、新しい技術や設備について十分に認識がない状態で施工をしているように思われます。

    また今までの事故の延長と考え、メーカーの準備した施工説明書などをきちんと読んでいなかったり、海外の製品を日本の器具と同じような感覚で取り付けてしまったりするケースも見られます。

    中村鳳晃
    株式会社 富士電興社 代表取締役社長
    法人向け電気設備工事の世界に1987年から飛び込んだ、
    株式会社富士電興社の中村です。

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